東京で行われるコミックマーケット(通称:コミケ)は年2回の一大同人イベントであり、初めてサークル参加するのであれば準備は念入りにしておくべき。しかし、コミケ初心者・熟練の経験者と言えどもミスや失敗は起こってしまうもの。人間誰しも失敗はするものだ。ここではその失敗を忘れない・繰り返さないために備忘録としてここに残しておく。この記事の内容は通常の同人誌即売会でも応用できるので、ぜひ参考にしてもらいたい。
※今回はサークル参加者(コミケで売る人)用の記事。一般参加者(コミケで買う人)用の話は以下。
中には取り返しのつかない失敗も
コミケにサークル参加するのであれば、まずは参加するための知識を身に着けておこう。サークル参加は準備期間を余裕を持って・計画的に進めることが成功のカギ。それでは、以下から失敗例を見ていこう。
1. 準備不足
これは一般参加者と同じく、最も重要な部分。コミケに限らず、無計画なイベント参加は失敗のもと。なぜなら、サークル参加者は準備量がとても多いからだ。逆に言えば、準備が万全であればサークル参加はほぼ成功したようなもの。参加する前から既にイベントは始まっている。
- イベント参加するための手続き
- 申し込み:イベント参加の申し込み手続きを行う。申込期限や参加費用などを確認し、必要な情報を提出しよう。基本的にネットで全て完結する。
- スペースの確認:後日、主催者からスペース(自分の席の場所)が割り当てられる。イベントの数週間前にメールでお知らせされることが多い。コミケの場合、サクチケもこの時期届く。
- 申し込み:イベント参加の申し込み手続きを行う。申込期限や参加費用などを確認し、必要な情報を提出しよう。基本的にネットで全て完結する。
https://www.comiket.co.jp/info-c/e_application/e_application.html
- 会場で頒布するための準備
- 作品の制作:頒布する作品を制作。余裕を持って入稿しよう。
- 在庫の確認:会場に持ち込む作品の在庫を用意。ネット注文を受け付ける場合は、購入ページの作成や在庫分の確保も忘れずに。
- 価格の設定:頒布する作品の価格を決定。相場や製作コスト、利益を考慮して適切な価格を設定しよう。
- 設営の準備:スペースで作品を陳列するためのディスプレイやポスター、テーブルにかける布などを準備しよう。
- お釣りの用意:お金の受け渡しや会計をスムーズに行うために、お釣りを仕分け・用意しておこう。
起こりうる失敗:イベント不参加・新刊を落とす(用意できず)・会場で十全な対応が取れない
対処法:予定を書き出し、適度に確認・計画的に準備を進める・新刊などが間に合わなければ、諦めるか、妥協案を練り実行する(色紙やスケブを用意するなど)
2.忘れ物
万全の準備のつもりが、当日になって気付くことはあるある。筆者も過去に様々な忘れ物をした。
新刊&既刊・ハンカチ・雨具・チケット・食料・水・地図・現金(お釣り用含む)・電子マネーや定期券のチャージ・モバイルバッテリー etc...
これらは別の記事で紹介している一般参加者向けと同じ。サークル参加者はサクチケ・既刊・新刊・お釣りなど、準備するものが多い。特にサクチケ(サークルチケット)だけは絶対に忘れてはいけない。会場に入れなくなってしまう。実際に忘れた場合はその場の運営の判断次第となる。対策として、スマホや財布など身につける物に入れておく・または持ち物チェック表などを作り管理するとよいだろう。何が必要かわからん!という人は、「コミケ_チェックリスト」で検索してみよう。便利なサイトがいくつか見つかるので、活用してみるのも手。
起こりうる失敗:時間の浪費・体力の消耗・余計な出費・最悪の場合、撤退
対処法:持ち物チェック表の活用・可能な物は現地調達
3.遅刻
朝の混雑や交通トラブル、遅刻によって朝一番の開場に遅れてしまうことも。直近のコミケC103では、サークル入場時間は朝8:00~9:30となっている。もし遅れてしまったら、まずは運営の人に相談しよう。そこからは運営の判断次第となる。遅刻具合によっては一般入場と同じか、それ以降のタイミングでの入場となり、サークル参加するメリットを失ってしまう。しかし、遅刻が確実でも焦りは禁物。焦りは忘れ物や周囲の不注意を引き起こしてしまう。怪我や事故のないよう、冷静に行動しよう。また、遅刻は次回のサークル抽選に影響する?とも言われている。遅刻はできるだけ回避しておくのが吉。
起こりうる失敗:サークル入場できない・滞在時間の減少
対処法: 事前に交通手段を確認し、時間に余裕を持って出発する・前日は早めに就寝・遅刻しても冷静に行動・運営に相談
4.サークルスペースでの失敗
無事にサークルスペースに辿り着いたとしても安心はできない。寧ろ準備はここから。新刊を会場に直接搬入した場合は新刊のチェック、設営、見本誌の提出、必要があれば周囲への挨拶などなど、やることが多い。しかし、これらはどれも30分以内には完了できるものなので、落ち着いて行動しよう。
- コミュニケーション不足
基本的に笑顔でいたい。別に自分が無愛想だからといって、さほど売り上げに影響はない(これは頒布物の質の良さや、SNSなどでの宣伝がしっかりしていれば、勝手に売れていくから。会場でサークルの人が直接参加者に売り込むような光景はあまり見ない)。しかし、手に取ってくれる人に対しては親切で積極的な対応を心がけることが重要。またお世話になっているサークル・席が隣になったサークルさんに対して挨拶をしないなども、あまりよろしくない。義務ではないが、コミケなどの即売会では自分の顔が割れる数少ない日。今後の印象に関わる可能性も否定できないので、できればその日だけでも愛想よく振舞いたいものだ。 - 設営の考慮不足
サークルスペースの配置やデザインが不適切だと、来場者に商品を見逃される可能性がある。布を敷く・ポスターを置く・本を目立たせるように配置するなど、魅力的なディスプレイを用意することで目に止まってもらえる可能性は上がる。 - ソロで参加
一人が悪いというわけではない。一人でサークル参加しているという心構えを持っていないことが問題。なぜなら、ソロ参加はイベントが開始から撤収までサークルスペースに拘束されるからだ。当然、様々な制限が用意される。主にトイレ・食事・買い出しなどだろう。トイレは設営前に済ませ、食事は補給食、買い出しはあらかじめ準備しておくことで対策になる。逆に回避不可能なものとしては、腹痛・目当てのサークル頒布物などがある。これはもう席を立つしかないが、離席は盗難のリスクがあり、お客も逃してしまうためあまり勧められない。対策としては、腹痛は薬を用意しておく・目当ての頒布物は設営前に買いに行くことや、通販を利用することで買い逃しは回避できるだろう。
5.在庫を抱えすぎる or 少なすぎる
頒布物が思ったように捌けず、帰りに大荷物になってしまうことがある。新作や、自分で買った他サークル分があれば荷物が参加前より多くなってしまうなんてこともザラ。これでは帰りの移動が大変。荷物が多すぎて持てないという失敗も。せめて両手はフリーで使えるように、リュックで来るとよいだろう。また、荷物を特定の場所まで届けてくれる搬出サービスも会場にあるので、どうしても持ち帰れない場合は利用してみよう。
逆に序盤に売れすぎてしまい、在庫がなくなるということがある。需要をよく調査し、必要な数量を適切に把握すれば、このような事態を防げる。しかし、売れ行きを読むのはかなり難しいので、最初はあまり作りすぎないことをおすすめする(在庫を抱えるのはリスクであるため。在庫がなくなり、要望などがあれば後日再発行、またはWEB再録すればよい)。
起こりうる失敗(在庫過多):在庫を抱える・疲れる・荷物の紛失リスク
対処法:食べ物や水は会場で消費・搬出サービスの利用・大容量のリュックを用意・出発時の持ち物を少なくする(軽量化)
起こりうる失敗(在庫切れ):参加者が買えない(満足してもらえない)・手に取ってもらえる機会損失
対処法:再発行(後日のイベントとなる)・WEB再録
まとめ
コミケは楽しいイベントだが、初心者が陥りがちな失敗もある。しかし、それらは多少の失敗であれば対処は可能だ。大事なのはしっかりした計画を立て、もしもの場合に備えること。当日は余裕をもって、充実したコミケライフを楽しもう!